アフリカに飢餓が発生した理由

世界史でセポイの反乱を学んだとき、不思議な気がした。イギリスの綿製品が大量に入ってきて、インドの綿工業が崩壊、経済が大打撃を受けたと言うけれど。「イギリスは世界で初めて産業革命を成功させた先進国でしょ?だったら最先端の綿製品は、高くてインド人には買えなかったんじゃないの?」— shinshinohara (@ShinShinohara) 2019年3月7日

ところがなんと、イギリスの綿製品はインドの貧しい人々が作る綿製品より安かったのだ。海を越えて運ぶ手間とコストをかけてもなお。そのために、インドの人々は、綿製品を手仕事で作るという貴重な収入源を失い、経済が大打撃を受けた。当時、イギリスの綿製品は世界のどこよりも安かった。— shinshinohara (@ShinShinohara) 2019年3月7日

当時高校生だった私は、先進国の工業製品は、途上国からすれば高級すぎて、高価すぎて、手が出せないものだとばかり思っていた。自動車やパソコンは、当時、途上国では高嶺の花の商品だったから、「先進国の商品は、途上国には買えないほど高額商品」という思い込みが私の頭にあった。— shinshinohara (@ShinShinohara) 2019年3月7日

ところが実際には、「先進国の商品は途上国の製品よりも安い」ということを知った。安いから途上国でも売れ、売れるから途上国に元からあった産業が潰れ、経済が破壊されてしまうのだ。— shinshinohara (@ShinShinohara) 2019年3月7日

わざと安く商品を売ることで、相手国の産業を潰す行為を「ダンピング」という。まさにイギリスの綿製品は、インドからしたらダンピングだった。あまりにも安すぎる綿製品が国内に流通したインドは、綿工業を生業にしていた人達から仕事を奪い、路頭に迷わせることになったわけだ。— shinshinohara (@ShinShinohara) 2019年3月7日

これと似ているのが、アメリカの食糧。アメリカの小麦やトウモロコシは、アフリカの貧農でさえ太刀打ちできないほど安い。穀物を育てていては、価格競争で勝てず、やむなくコーヒーなどの商品作物を育てる、プランテーションでの雇われ人になった。農家だったのに、給料で小麦を買う皮肉。— shinshinohara (@ShinShinohara) 2019年3月7日

これと似ているのが、アメリカの食糧。アメリカの小麦やトウモロコシは、アフリカの貧農でさえ太刀打ちできないほど安い。穀物を育てていては、価格競争で勝てず、やむなくコーヒーなどの商品作物を育てる、プランテーションでの雇われ人になった。農家だったのに、給料で小麦を買う皮肉。— shinshinohara (@ShinShinohara) 2019年3月7日

ところが、コーヒーの価格が下落するなどして、給料は低く抑えられた。すると、世界一安いはずのアメリカの小麦でさえ十分に買えない。しかしアメリカの安すぎる小麦の為に、穀物を生産する農家はなくなってしまってる。こうして、アフリカに飢餓が頻発した。— shinshinohara (@ShinShinohara) 2019年3月7日

よく勘違いされていることだが、アフリカは食糧を作れないから飢餓が発生したのではない。穀物などの基礎食糧を作っても生活が成り立たないほど、小麦やコメの価格が下落したためだ。そしてその原因は、アメリカの安すぎる食糧が、世界中に輸出されたことによるのだ。— shinshinohara (@ShinShinohara) 2019年3月7日

かつてアメリカ国内で同じ事が起きた。トラクターや化学肥料が登場し、大規模農家のトウモロコシの生産量が10倍になった。すると、トウモロコシの市況がだぶつき、トウモロコシの価格が暴落。小規模農家は、十分な収入が得られなくなり、農家をやめざるを得なくなった。生き残るには、自らも大規模。— shinshinohara (@ShinShinohara) 2019年3月7日

大規模農家を目指す農家が増えると、みんなトウモロコシを10倍作るようになり、さらにトウモロコシ価格は下落。すると、さらに増産して自分だけ生き残ろうとするから、さらにトウモロコシ価格は下落。
つまり、トウモロコシの生産性を上げれば上げるほど、規模は大きいのだが儲からなくなった。— shinshinohara (@ShinShinohara) 2019年3月7日

西部劇の頃の農家は、三世代を養っていたが、余剰食糧は12人分しか作れなかった。今のアメリカの農家は、10倍の129人分の食糧を作れる。しかし農業だけでは収入が足りず、補助金をもらい、奥さんにも働きに出てもらって、ようやく四人家族を養う程度。生産性10倍で、むしろ余裕を失った格好。— shinshinohara (@ShinShinohara) 2019年3月7日

世界一の生産性を誇るアメリカの農業のおかげで、アメリカでは小規模の農家は生き残れなくなった。ただしアメリカは、工業が発達し始めていた。安い賃金ではあったが、働き口があった。しかしアフリカには、農業以外のめぼしい産業がない。そんなところに、世界一安い食糧を持って行ったらどうなるか。— shinshinohara (@ShinShinohara) 2019年3月7日

食糧を作っていては生活できなくなる。だから農業をやめざるを得なくなるが、農業以外の仕事がない。コーヒーのプランテーションで働いても、十分な収入が得られず、安いはずの食糧さえ買えない。この構造が、アフリカにたびたび深刻な飢餓をもたらした。— shinshinohara (@ShinShinohara) 2019年3月7日

農業以外にこれといった産業がない国に、安い食糧を持ち込めば、その国の経済は破壊される。食糧を作っても、農機具を買い換えるだけの収入が得られなくなり、薬を買うお金もなくなり、生活が成り立たなくなるからだ。農業国に安い食糧を売ることは、その国を破壊する行為。— shinshinohara (@ShinShinohara) 2019年3月7日

日本は幸い、農業以外の産業があったから、戦後、アメリカの安い食糧が流入してきても、農業人口を別の産業に移転させ、成り立たせることができた。しかしもし、日本が、農業以外にこれといった目玉商品がなくなったら、どうなるだろう?— shinshinohara (@ShinShinohara) 2019年3月7日

自国で作ろうにも、アメリカの小麦ほど安くは作れない。かといって、他の産業が稼がないから、アメリカの安いはずの食糧さえ十分に買えない、という、アフリカと同じ構図に陥る恐れがある。— shinshinohara (@ShinShinohara) 2019年3月7日

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください