ダメージヘアは量産されてきた

最近、ほぼ毎日の仕事になっているのですが、
当店を初めてご利用のお客様から、
「何を使ってもダメージヘアが、よくならない」
というご相談を
LINEなどでお問い合わせいただいております。

相談を頂く方が使っているシャンプーやトリートメント、
洗い流さないトリートメントなどをお聞きしたりするけど
どれも、「どうしてそれを、選んだのですか?」という答えにはほぼ一律で
「なんか、良さそうだった」というのが大方のお答えです。

昔、私が仕事で手荒れに困っていた時期がありまして、
手首まで紫色になるし、爪の形は凸凹になって、
手荒れのジュクジュクしたところから常に体液が滲みでて
とてもじゃないけど、仕事を続けられないかもしれない。
そういう時期がありました。

その頃の二十代前半の私は、
大手有名メーカーのシャンプーを使っていたのです。
「このメーカーなら、まあ、間違いないだろう」
まだ、美容師として、知識も少ない未熟者でしたので
とにかく、世間で良いと言われているもの。売れている。と言われているもの。
なんちゃらランキングでナンバー1と言われているもの。
そういった製品を使っていれば、お客さんにとっても、
良いことなんだろう。
そのように、本気で思っていました。
今考えれば、プロとして、とても恥ずかしいことです。

同時に、大手有名メーカーが悪いモノを作っているはずがないだろう。
そのように高を括った思い込みによって、仕事をしてたんですね。

でも、事実は違いました。

肘から手の指先まで、切り落としたいほど膿んでしまい、
皮膚科の先生からも「美容師をやめなさい」と言われ、

こいつは、バカか?

と、皮膚科の先生に対して疑いを持つようになりました。
でも、先生は間違ったことは言っていないのです。
バカは、私でした。
治すなら、美容師をやめるのがいちばん早い。
しかし、後になってわかるのですが、
それは「唯一の手段」ではありませんでした。

私が知らなかっただけで、
肌に優しい、手が荒れないシャンプーの存在があったんです。

同じ「シャンプー」と呼ばれているものなのに、
中身。
つまり、「構成されている成分」が、手荒れするシャンプーと
まったく違う質のものがある。

それは、若く、未熟な美容師であった私が
あまり聞いたことのないメーカーのものでした。

なぜ、そんな良いものが、この世に出回らないのか。

その答えは後に勉強してわかりました。

「流通」と「経済」の仕組みです。

できるだけ安く作って、できるだけ、高く売る。

私は、中卒で美容師になっていたのもあり、
美容師になった最初の数年は、ほとんど技術習得と向上にだけ
ほとんどの時間を費やしていましたから、
世の中の経済活動がどういう仕組みで回っていて
大企業が、なぜ大企業になりえたのか、
誰もが知っているシャンプーがなぜ、誰もが知っているようになりえたのか。
そういったことにはほぼゼロ知識のまま、
単に技術を磨くことにだけ没頭し、
後のことは全て他人任せ。
何も考えずに「なんとなく」有名でありさえすればいいだろう。
完全に思考停止した状態で自分が使うシャンプーを選んでいたんです。

先ほども書きましたように、
経済の原則は
できるだけ安く作って、できるだけ、高く売る。ことです。
それにより、利益を出し、企業に勤める多くの人の給料が報酬として支払われたり、会社も大きくなっていく。

そんなことを考えもしなかった当時の私は
良いものを作っているから、売れている。
そのように考えていたんですね。というか、信じていた。

でも、現実は、
使えばつかうほど、手が荒れていったわけです。

なぜか。

使うほどに、肌も、髪も傷めつけていく成分で作られていたからです。

そんなものが、有名になるほど売れていて、人気が出るワケがないだろう。
そのように思っていた当時の私に言いたい。

ピュアやね。と。

青い。と。

詳細は省きますが、
それから猛勉強した私は、知れば知るほど、
なぜ、あの頃の私が手荒れで苦しんだか。
なぜ、トリートメントを一生懸命しているお客さんの髪がいつまでたっても綺麗になっていかないのか。
その答えを得るにいたりました。

今では手荒れはしていません。ささくれ一つ、ありません。

有名じゃないけど、原価や開発に物凄くお金をかけて、
できる限り手や皮膚に安全で、相場に近い価格で販売できる。
そういった製品を使用しているからです。

昔、私が使っていた製品は違っていました。

有名だけど、原価の材料がゴミと同じくらい安く、億単位の広告費をかけてブランドイメージを大衆に刷り込み、有名にして、ブラック化するほど人件費も価格も安くつくって適当に良い香りをつけて売り、流行りが廃れて、ちょっと売れなくなったらボトルデザインと香りや成分名をちゃっかり変更して、また同じようなものをリニューアルして売り続ける。そういうシャンプーでしかありませんでした。働いておられる読者の方の中には、「ああ、うちの業界と似てるな」という方もおられるかもしれませんね。まさに、それです。

タイトルにも書きましたが、
「ダメージヘアは、量産されています。」つけ足して言うと、
ダメージヘアは、意図的に量産されている。といっても過言ではありません。

昔の私のように、ピュアな人は、そんな大げさな。そう思うことでしょう。

なぜ、今使っているシャンプーを選んだのか。
なぜ、今使っているトリートメントを選んだのか。

この問いに、多くの人は
「なんか良さそうだったから」ということだと思います。

根拠は?

ネットやテレビ、雑誌やSNSなどを見て、
有名女優や、多くのクチコミを見て、
髪が綺麗に見える人が使っているモノを聞いて、
もしくは、担当している美容師に聞いて。かもしれませんね。

だったら、なぜ、あなたの髪の悩みは解消されていないのでしょうか?

その答えはおそらく、
「これが良い!」という自分なりの基準を持ち合わせていないからだとおもいます。昔の私がそうでした。
私の場合は、美容師という立場でしたから、「大罪」です。
そのような未達な知識で接客にあたっていたのですからね。

でも、今は違います。

髪が傷む理由や、人が病気になったり老化するメカニズム、
シャンプーやトリートメントに配合されている成分によって人間の髪や肌に与える影響と効果効能。
それらを、今でも勉強していますし、これからも続けていきます。

ダメージヘアは量産されてきた。と書きました。

それは、今でも変わりません。

おそらく、向こう10年以上は、無くならないと思います。

本当に髪や肌に安全で、その上で普段の生活やヘアスタイルをずっと楽しんだり、心配事や悩みごとが減る。

当店のお客様にそういったお手伝いができて役立つことができれば、
私の美容師としての仕事は成功したといえるでしょう。

世の中から、悪い商品をなくす。
それは、残念ながら、私の仕事ではありません。
厚生労働省の方々の仕事です。
法律でそういった製品であっても作って販売することが許されているのがそもそもの原因ですのでね。
でも、今の世の中は規制緩和が既定路線でしょうから、さすがに難しいと思います。

ですから、私は私の手の行き届く範囲で、
髪や肌のダメージをできる限り少ない製品だけをご紹介していきます。

どうぞ、ご来店の際には、なんでもご相談ください。
知っていることなら、なんでもお話させていただきます。

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