今月から就職活動が解禁されたそうですね
私は就職活動って一切したことないんです、というか
美容室のチラシ見て「スタッフ募集」って書いてあったので、
すぐに電話して、「今から伺います。」で、
電話した次の日に面接してもらって、その次の日から出勤。
それが、17歳になったばかりの頃でした。
ま、ふざけた小僧でした。
面接日、
自分で染めた金髪に、私服。さらに履歴書すら持っていかない。ていうか、履歴書の存在すら知りませんでしたね。
「男は黙って中身で勝負。」
いや、人が「身なり」を整えるための美容室に中身で勝負とか、何いってんの。って感じでしたけど。
そんな感じでしたから、もちろん
「美容師免許持ってるの?」と問われても、
美容師免許?なんですか、それは。
もう、話にならないわけです。世間知らず過ぎて。
でね、
私も、馬鹿なりに面接受けながら考えました。
(これは、おそらく、まずい流れだ。)
美容師免許というお免状が必要という情報を面接を受けたまさにその時に知り、
17歳という高校退学。つまり中卒というハンデ。
履歴書とかいう謎の書の存在も、いま初めて知った。
社会のシステムを、私はその場で思い知らされたので、
もう、これは一発、かましてやろう。そう考えました。
今でも覚えています。
「あ、僕、給料とか、要らないので。」
面接をしていただいたオーナーに発言したところ、
「アホか。」と、一笑に付されましたけど、
なぜか奇跡的に雇っていただくことができました。
で、
いつから来れるんだ?という話になりまして、
あ、明日から来れます。
面接の翌日からの初出勤が決まりました。
重いハンデを背負いながらも美容室の就職を勝ち取った17歳の私は、
その帰り道に、決意しました。
(明日から、お客さんのカット、がんばるぞ。)とね。
翌日、初出勤したところ、どうやら私の決意は空振りであったらしいことが判明しました。
ーーーーー掃除しか、できることが、ないんだ。
私は、まあまあ悲しい気持ちになりました。
でも、なんだか、見習いや、下積みも大事だということはどの世界でも一緒であることはわかっていたつもりでしたので、
わかっていたつもりのやつが翌日からカットできると考えてるのも何かおかしな話ですけれども、
今日から頑張って、早く一人前になろう。
掃除しかできることがないなら、まずは世界一掃除を頑張る見習いになろう。
確か、それは決めたんです。
一日中、立ちっぱなしというのもその日に初めて経験しました。
しかし、私の決意たるやはものすごいものでしたので、
その日の初業務が終わって、
友人宅に帰りました(その当時の私は友人宅に寄生虫のように居候していました)。
ぐっすりと、眠りにつきました。
翌朝、寝床から起きた私は、あることに気づきました。
はい寝坊した。
おもいきり寝坊しました。美容師人生、初の遅刻です。
丁度いま、あなたは文章をお読みになりながらきっと思わず口に出してしまったのではないでしょうか。
「やばっ」と。
あのね、
「やばっ」どころの騒ぎじゃないですからね。
「誰か俺を殺してくれ」くらいには、なりますからね。その瞬間は。
とにかく、
その日から寝坊という最高にモチベーションに下がる醜態を晒しながらも8年間、その美容院で修行させて頂いたんですが、
なんていうか、こう、書いてて思うんですが、
よく生きてこれましたよね、私。
「私は、優秀な美容師ではありません。なぜなら
優秀な美容師はきっと、遅刻などしたことなどないからです。」岩田雄一
と、イチローの名言ぽく書いてみても何か締まりませんね。そういうものです。
つまり、何を私が言いたかったのかと言いますと、
「こんな人でも、なんとかなるんだよ。」
ということには
なりませんからね。社会通念上。
私が良い社長や上司、同僚などに恵まれた、たまたま、運良く、神懸かり的な、何か運命的なもの。そのような人知を超えたもののおかげに決まってますので、
就活生の皆様におかれましては絶対、私のような愚行はお慎みください、
いくら人手不足の時代にある日本社会であっても、
「社会的常識」って大事です。
ま、何が社会的常識なのか未だによくわかっていない私の戯言でございます。
私は、社員の遅刻とかまったく気になりませんけどね。
まさに遅刻のプロ。遅刻をしてお金を頂いているとまで世に言わしめ、
「遅刻狂 美容師」と呼ばれた私からすればうちの社員の遅刻など、
素人に毛の生えた程度のものです。
遅刻によって昇給やキャリアアップなどの
多くのチャンスを失ってきた私から言わせれば、
「俺がチャンスを逃したのではなく、チャンスの方から『俺に』合わせるべきさ。もちろん、集合時間を遅めに。という意味でね。」
ここまでの境地に至ることができれば、ホンモノの遅刻人としての矜持と言えるでしょうね。
私の遅刻によってご迷惑を被った方々。
本当にすみませんでした。猛省しております。
と言っても、一度失った信用を取り戻すことは
なかなか難しいものです。
それは誰よりも、私が一番経験していることでしょう。
「小さな世界でもいい。ごくごく限られた分野でもいい。とにかく一番になれ。」
という先達の教えは、嘘でした。一番遅刻していた私が掴んだものは、
ベクトルを間違えないこと。
一番多くの遅刻の回数を重ねてきたであろうこの私がいうのですから
おそらく間違っていないはずです。
これが、ダメダメ社会人であった私から就活生の皆さんに送るブログです。
「勇気をもらった。」的なお声をお待ちしています。
先輩たちがよく「昔は良い時代だった」なんて言いますが、
昔は、「変な時代」でした。それは、確かだと思います。
今は通用しないでしょう。
最後に、
「遅刻を機に」というテーマで撮った懺悔の動画をどうかご笑覧ください。
追伸。
面接時の髪型は、たとえ不本意であっても「社会的に印象の良いヘアスタイル」にしておくことを強くお勧めします。
人の第1印象というものは、長期間にわたり、覆しにくいものです。
それから、最近ある方から、
『睡眠相後退症候群』 という病名があるというご教示を拝しました。医学会の方々のご尽力、ありがとうございます。
いまの生活は、かなり気に入っております。ありがとうございます。